問題を放置してはならない
問題ってやつは、放っておけば消えるように見える。
見ないふりをしている間だけは静かだ。
封筒を開けなければ請求は存在しない気がする。
電話に出なければ責任は遠ざかった気がする。
話し合わなければ揉めずに済む気がする。
だが、それは気がするだけだ。
俺は事件を見てきた。
小さな不足を隠し続けた人間。
払われない金をそのままにした人間。
家の中の違和感を黙って飲み込んだ人間。
どれも最初から大事件だったわけじゃない。
最初は小さなひびだった。
だが放置されたひびは、いつか壁を割る。
問題を寝かせる人間は、未来の自分に面倒を押しつけているだけだ。
今の自分は少し楽になる。
だが未来の自分は、その利息まで払うことになる。
それはハードボイルドじゃない。
ハードボイルドな人間は、嫌なものほど先に見る。
面倒な連絡ほど早く入れる。
言いにくい話ほど、まだ小さいうちに口にする。
格好は悪い。
気分も良くない。
だが、問題を片づける人間は、だいたいそうやって傷を浅くしている。
強い人間とは、問題がない人間じゃない。
問題を見つけた時に、逃げずに向き合える人間のことだ。
覚えておくといい。
問題は腐る。
放っておけば、必ず臭いを出す。